奄美 クロダイ フライフィッシング フィンノア フィンノール

浜名湖で納得がいかない釣りをしながらも、3たび奄美で釣りをするチャンスを得ました。様々感じたりアドバイスを受けたことを早速試したかったのですが、状況はそれを容易にしてくれませんでした。まず以前来た奄美との違いは時期でした。今回、日中34度の7月中旬の真夏に来たのですが、フラットに魚がほとんどいないのです。6月に来た時とは大違い。トレバリーは時々入ってきているのですが、クロダイがいない。トレバリーよりも気配がない。勝手に温水性の魚は夏がいいと思って魚影の濃さを想像していたのですが、梅雨明け日差しマックスの夏の真昼に浅瀬をフラフラするのは人間だって魚だってためらうということでしょうか。そこで別の仲間のアドバイスを想像しつつ、ようやく魚がいる場所を見つけたのは森から流れる水が少しは冷たい河口付近でした。

そこでいくつか魚を得たのですが、まず1匹目はフラフラと餌を貪る魚を偶然発見し、投げ入れたフライがこれまた偶然凄まじく良いところに落ちて、リトリーブ直後にあっさり食いつくのが見えました。それにしてもフラットで釣りをしていて思うのですが、プレゼンテーションのシビアさは今まで経験しているフライフィッシングでも最高レベルが要求されているように感じます。まずこの、クロダイのフライフィッシングがうまくできるようになったらかなり応用範囲は広がるような、もう一つ別の世界のフライフィッシングが見えてくるような気がしてなりません。

河口付近では魚がクルーズしていて、何か思うところあればテーリングが始まりますが、憎たらしいくらいキャストの範囲外で起こります。そこにトレバリー類がすぐ目の前の視界をサッと通り過ぎていく。一体どうしたらいいのか迷わされ通しでした。けれど先に書いたように、もしクロダイの釣りを深く理解できて、その技術が身につけば、今後のフライフィッシングは広がるはず。たまにトレバリーに惑わされて色気を出しつつも、基本はクロダイのセットアップを片手に河口のフラットに立ち続けました。

ここでもう一つはっきりしたことがあります。ガイドフィッシングでは魚を見つけるプロが真横に立って教えてくれます。これが実は本当に凄いことなんだとわかりました。何に苦戦しているって、魚を見つけることにです。テーリングというわかりやすいインジケーターがあればいいのですが、別にそれだけが全てではありません。河口の筋は流れのせいで少し深くなっていて、そこに沿って魚は移動し、たまに浅瀬に出てきます。それがわかって観察する場所を絞ると徐々に魚が見え始めて、その魚の進行方向にフライを落としてタイミング良くフライを動かせば、実はあっさり食ってきたりもしました。

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そんな中、今回はホソミゾイサキという初めて出会う魚が数匹遊んでくれました。振り向くと水底が見えるウィンドウがあって、そこに魚がたむろしているのが見えてフライを落とすと、フライに対する挙動丸見えでリトリーブに素直に反応し、落としたフライを啄みました。

 

今回、魚の視界にフライを入れる以前の、ハッキリとした課題をいくつも突きつけられてしまいました。まずこの時期の奄美のフラットでは魚影はそんなに多くないということ。しかも散発のテーリングやたまに見かけるナーバスウォーターに投げるのですが、距離がある。浜名湖の間合いよりも遠いのです。キャスティングの重要性、プレゼンテーションの重要性を痛烈に思い知らされたのですが、そのタフな時間の中でフライラインのことを考えないではいられませんでした。もう1、2歩の距離を出すには7番の竿に6番ラインの組み合わせはどうしても苦しい。浜名湖では近い間合いでチャンスが多くあり、距離を投げようとは思わないのでこの組み合わせでより静かなプレゼンテーションに貢献していました。ところが奄美では散らす以前に届かない。たまに入ってくるトレバリーのためにフライを切り替えて大型、重めを結ぶとラインが軽くてこれまたキャストが成立しない。技術が至らないところは大いにありますが、そこを助けてもらえるフライラインがないものだろうかと気になりだしました。そうすると必然的に重めのラインです。ですがそれでは水面へのインパクトが出てしまいます。そのインパクトを減らしつつ、飛距離を伸ばし、尚且つクロダイ用のフライだけではない、より大型のフライを素早くキャストすることもできる、そんなフライライン。クリアティップのラインでしょうか?

もう一つは魚を見つけること。これにはセンスも経験も必要なのでしょう、とにかく見つけられないことには無理な釣り時間になってしまいます。見つけた上で、その魚がどこにいてどう動いているのかがわかって、超重要なシビアなプレゼンテーションが要求されるワケです。まだまだ探求は続きそうです。

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